サード・アルバム
“Real Times”
(will be released in early 2014)
1. Rue Pierre Leroux
2. Radiation #1
3. 11th (Away From The Borders, Close To The Borderless)
~featuring EYE (Boredoms)
4. Somewhere At Christmas
5. Radiation #2
6. Grum Sai Grum
~featuring ITTA
7. On My Answering Machine
8. relativisme extrême
9. Mandarake
~featuring Cuzuinier (ex. TTC)
10. Empathy
~featuring UA
11. Empathy (reprise)
前作the myth and i からさらに10年を経て、リリースされる最新作。
しかし、そこに収録されている作品は既に2001年9月11日より始められていた。”the myth and i” で、自らの神話を構築しようと試みる一方で、世界ではいわゆる新自由主義経済の名のもとにグローバル・スタンダードが席巻していた時期である。
その時彼はちょうど日本で午後10時に放送開始のニュース番組を視るともなしにTVの前でくつろいでいた。そこで流れた映像は、いつも流れるおなじみの番組冒頭のオープニングではなく、音声も流れず、ただ高層ビルの上から煙が立ち上る映像だけであった。時間になってもニュース番組が始まらないのを訝しく思い映像を注視していると、しばらくしてそれがNYからの生中継であることと、事態が把握できないまま緊迫した様子のアナウンサーの声だけが聴こえてきたのだった。
2001年9月11日。この日を境にしてなにかが決定的に変わってしまった。
この日を境に彼はアーティストに何ができるかということについていままで以上に真剣に考えるようになる。
そして、自らの神話をさらに現実の世界の動きを見据えて構築していくようになった。そして、それまで以上に彼は「なぜ羊か?」の回答を求めるようになった。
そうこうしているうちに、10年の月日が流れ、そして自分の生き方をまったく考え直すきっかけとなった2011年3月11日が訪れた。
そして追い打ちをかけるような人災である福島原発事故。
最初にアクションを起こしたアーティストはChim↑Pomだった。原爆ドームの上空に「ピカッ」と描いたアーティスト集団である。
彼らの活動は10年の沈黙を守ってきたWhy Sheep?を再起動させることになる。
このアルバムはその沈黙の10年間に書き溜められた曲を、新たに作り直し、Chim↑Pomの「Real Times」に呼応させる形で作られた彼なりのクロニクルである。
キー曲であるempathyにはUA、11thにはボアダムズのEYE、フランスからは元TTCのCuizuinier、韓国のビョークとも評されるITTA等、国内外のアーティストが多数参加しているのも彼のクロニクルといえる所以である。